レンズ
幼稚園の頃だろうか,雨戸の節穴から光線が洩れて,外の景色が障子に逆さまに映って動いていた.
小学校の教室,カーテンを引いて暗くした教室で虹を作った授業の記憶.プリズムの実験だったか.
雨戸の節穴はピンホールレンズ,薄暗い部屋は暗箱の働きをしていた.幼児にはただ不思議だった.
プリズムやレンズの輝きは子供心に惹かれたのであろう.道具とか精密機械に興味があったらしい.
写真機の原理も仕掛けもわからないけれど,大人が慎重に扱うのを見てから関心が芽生えたらしい.
ここに立ってとか 動かないでとか 撮される側になった時,自由を奪われた記憶しか残っていない.