芸備線下り貨物列車 中国山地の高原.芸備線最高地点を越えて絶気で緩やかに道後山駅に進入する. 西城川(江の川水系)は日本海に注ぎ,東城川(高梁川水系)は瀬戸内海に注ぐ.
総社,倉敷に天井川が形成された主な原因は,源流で行われた鉄穴流しである. 芸北,備北の中国山地が近世のコンビナートであった,と言うと,誰しも驚く.
遠い山は白滝山.近くの山が尖っていても砂鉄採取場跡なんて無関心だった私. 半世紀経ってほぼ断定できる.人工的で猫山山麓,どうやらこれが切羽跡かと.
鉄道敷設の客土工事の跡の可能性も残るが,鉄穴流しの切羽跡と私は思いたい. 駅の北方の切割は築堤分の土砂が出たと考えるなら砂鉄採取跡が濃厚であろう.
猫山,道後山の鉄穴流しに関する地理学の研究論文をご紹介したします.
高梁川流域の鉄穴流しによる地形改変と水田開発(赤木祥彦・貞方 昇)
「中国山地では砂鉄を原料とする鑪製鉄が大正10年頃まで行われ,..」 から始まる地理学の論文をインターネットで読むことができる時代です. ご一読を薦めます.